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そのビジネスが提供する価値は、モノ?コト?

時代は、モノからコトへ。

1980年代頃、コトという言葉が出てきたといわれ、日本で一般的になってきたのは2000年頃。すでに今はトキという新しい概念も出てきており、サービスに求められる価値が目まぐるしく変わってきています。
「体験」が「価値」となった時代、売り手本位の「モノ売り」ではなく、買い手本位の「コト売り」にシフトしていかなければ、ビジネスが成立しないようになってきています。

モノ中心だとなにが起きるのか

大手モール型ショッピングサイトを例にしてみましょう。
サイトでは、大手企業から個人まで、規模も実にさまざまなショップが出店しています。数億もの膨大な数の商品が並び、日々いくつものキャンペーンが打たれ、常に情報であふれています。
その中からユーザーは、いったいどのように商品を選び、購入し、顧客となるのでしょうか。

どんなに価値のある商品やサービスを販売していたとしても、それを正しくユーザーに伝え、価値を理解してもらわないことには、無数に存在する競合商品の中から自社の商品を選んでもらうことはできません。

モノ中心、つまり売りたい商品を中心に考えると、以下のような思考で施策を検討することになります。

もっと商品を多くの人に買ってほしい。

  • ユーザーは、欲しい商品があるときに、買いに来る。
  • 「欲しい」気持ちが起きなければ、買いに来ない。
  • より「欲しい」と思ってもらうために、商品をより洗練させる。新しい機能を追加する。

新規顧客を集めたい。

  • キャンペーンをうつ。
  • キャンペーン効果で、集客がアップ。
  • 定期的にキャンペーンを実施する。

リピーターを増やしたい。

  • ポイントプログラムを導入する。
  • より魅力的なポイントプログラムにするため投資する。

コト中心とはどういうことか

顧客が、商品やサービスを購入することで、どのような体験を得られるのか。
購入前から購入後、さらにその先の未来に起こる体験が、提供する商品でありサービスである、という観点が、コト中心の考え方です。

例えば、テントを購入するプロセスを見てみましょう。
Aさんは友人とキャンプに行くことになったので、ネットでテントを探し、友人とSNSで情報を交換しあいながら比較検討を重ねます。最終的には友人と一緒に店舗を訪れ、実物を見て購入しました。
Bさんはソロキャンプがしたいと思い立ち、テントを探します。ネットでソロキャンプを紹介した記事に載っていたテントが気に入ったので、最終的にはネットでそのまま購入しました。
これは同じ商品の購入プロセスですが、AさんとBさんでは、購入体験がまったく違ったものになっています。

実際には、購入前から購入後までの体験を指す期間はもっと長いものになりますが、商品を「認知し」「選び」「購入し」「使う」というプロセスにはさまざまな要因が影響するであろうことがわかります。

大切なのは、商品やサービスに関連して「どのような体験が存在しているのだろう」という観点に着目することです。

知ろう。もっと、ユーザーのことを。

まずは、ユーザーを知ることからはじめましょう。
顧客となるユーザーの生活や環境をしっかりと見つめることで、その商品やサービスがどのような価値を生み出す可能性があるのか、模索できるようになるのです。

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よりよい体験で、ユーザーを知る